今まで数え切れないほど戸籍を読んできましたが、この続柄を見るのは初めてでした。
「従てつ」

「これは何だろう」と思って、その戸籍をじっくり読み返しましたが、この戸籍の中のどこを見ても、どうしてこの少女の続柄欄に「従てつ」と書かれているのか説明がつきません。父親も母親も、そして祖父も祖母も、同じ戸籍の中に登場しないのです。
そこで、さらに前の戸籍へ遡って調べていきます。
家督相続、養子縁組、分家と新しい人物が現れ、手掛かりは増えていきますが、なかなか全体像は見えてきません。
家系図を書いて、ようやくつながった
途中で、頭の中だけでは整理ができなくなりました。そこで、一枚の紙に家系図を書き始めました。人物を一人ずつ並べて、関係性に線を引いていきます。

「従てつ」の正体、それは、この少女は戸主から見て「いとこの娘」という関係だったのです。戸籍には「従てつ」と「てつ」がひらがなで書かれていたのですが、調べてみたところ、従姪(いとこめい)を音読みして「じゅうてつ」と読ませるということでした。
戸籍上、現在では出会うことのできない続柄
この続柄が生まれた背景には、昔の戸主制度がありました。家督相続があり、養子が家を継ぎ、戸主が変わる。そうした時代の制度が重なった結果、戸主から見れば「いとこの娘」という位置づけになり、この続柄が使われたのでしょう。
現在の戸籍制度では出会うことのない記載です。だからこそ、今回の発見は私にとっても新鮮でした。
普段、戸籍は「証明書」として利用されることがほとんどです。しかし、古い戸籍を読んでいると、そこには人が生き、家族がつながり、家が受け継がれてきた時間が静かに残されています。
今回の調査で印象に残ったのは、答えが一枚の戸籍には存在しなかったことです。複数の戸籍をたどり、関係を図に書いてみて初めて、一人の少女の位置が見えてきました。
「戸籍って一枚では分からないことがあるんだ」「何冊もつないで初めて見える世界があるんだ」という驚きも感じていただきながら、今回の記事を読んでいただけたらうれしいです。









