戸籍には「生年月日」が必ず記載されています。
令和生まれの赤ちゃん、平成生まれの学生さん、昭和生まれのおじいちゃんおばあちゃん…本当にさまざまな年代の方の記録が載っています。
令和7年現在、存命の方の中で、戸籍上もっとも古い元号生まれといえば、ほとんどが大正生まれでしょう。
たしか今年のニュースで「現在、明治生まれの日本人は4人のみ」と報じていました。
ふと疑問。
私たちが”今”取得できる戸籍の中で、いったいどこまで古い元号の生まれの方まで確認できるのでしょうか?
というわけで、過去に私が実際に目にした戸籍の中で、最も古かった生年月日をご紹介したいと思います。
現在取得できる最古の戸籍とは?
日本で全国統一の戸籍制度が始まったのは、明治5年(1872年)。このとき作られた戸籍は「壬申戸籍(じんしんこせき)」と呼ばれています。
ただし、この壬申戸籍は現在では閲覧することはできません。私たちが通常取得できる最古の戸籍は、明治19年(1886年)式戸籍以降です。
つまり、
- 明治19年の時点で
- すでに生まれていて
- まだ存命だった方
については、それ以前の元号で生まれていても、戸籍上で確認ができるということになります。
明治以前の元号をたどると…
明治→慶応→元治→文久→万延→安政→嘉永→弘化→天保という順番になっています。
実際に確認できた「最古」の記録

分かりますでしょうか?
なんと、寛政8年8月18日生まれ!
天保からさらに、文政→文化→享和と遡って、寛政です。寛政8年は西暦でいうと1796年。江戸時代まっただ中です。
戸籍には、その方の死亡日として明治21年(1888年)11月4日と記載されており、92歳までご存命だったことが分かります。
今から約230年前の記録が今も読める!
寛政8年(1796年)生まれ…
今から数えると、実に約230年前になります。そんな時代に生まれた方の名前や生年月日が、令和の私たちでも戸籍を通じて確認できるという事実はなんだか感慨深い感じもしますね。
すべての戸籍が残っているわけではありません
もっとも、すべての自治体に古い戸籍が残っているわけではありません。
- 保存期間経過による廃棄
- 戦災・役所の火災などによる焼失
- そもそも記録が作成・保存されていなかった
など、さまざまな理由から、古い戸籍が存在しない地域も一定数あります。
それでもなお、こうして時代を超えて大切に保管され、現在まで受け継がれている戸籍が各地に残っています。
実際に調べてみると、想像以上に興味深い事実が見つかる貴重な資料でもある戸籍。
そんな現在から過去をつなぐ戸籍を使って、ご自身の家系やご先祖探しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



