老健は「3か月で退所」って本当でしょうか―制度だけでは見えてこない入所の事情

「老健は3か月しかいられないそうですよ」そんなお話を耳にすることがあります。

実際に介護老人保健施設(老健)やケアマネージャーさんにお話を伺うと「3か月という絶対の決まりではなく、状態に応じて判断しています」と教えて下さることがある一方で「こちらの施設は必ず3か月で出ていただきます」と説明されたこともありました。

同じ「老健」なのに、なぜ説明が違うのでしょうか。

今回は、その答えを断言する記事ではありません。老健という施設を知るための「入口のお話」として読んでいただければと思います。

入所期間「3か月」という基準

介護老人保健施設は、病院を退院したあとなどに、リハビリを行いながら自宅など次の生活の場を目指すための施設です。

そのため、入所後は定期的に「今後も入所を続けるのか、それとも退所できそうか」という見直しが行われます。このことから「老健は3か月で退所する施設」というイメージが強いのかもしれません。

最所は私も、ある施設では「原則3か月です」と言われ、別の施設では「3か月を越えて継続される方もいらっしゃいます」という説明を受けて「どちらが本当なのだろう」と思いました。

しかし、あとから分かってきたことは、実際には同じ老健でも、施設ごとに役割や運営方針には違いがあるということです。

入所期間「平均10か月」という数字もあります

厚生労働省が公表しているデータでは、介護老人保健施設の平均入所期間は約10か月という数字があります。ところが、施設ごとのデータを見てみると、平均在所日数にはかなりの幅があります。

私が実際に問い合わせたことのある施設の平均入所期間を調べると、460日(約15か月)となっていました。

つまり「老健だから入所期間○か月」と一律には言えないのが現実なのです。実際の入所期間は、本人の身体の状態や退所先の状況などによって大きく変わります。

「老健」という名前だけで判断しないことが大切です

「老健」という施設の分類だけではその施設の特徴は分かりません。

リハビリを積極的に行い自宅復帰を目指す施設。比較的長く生活される方が多い施設。認知症ケアに力を入れている施設。医療的な対応を得意とする施設。それぞれに役割があり、同じ老健でも雰囲気は決して同じではありません。

もし、ご家族やご自身が老健への入所を考えることになったら「3か月いられるのか」だけではなく「この施設はどのような方を受け入れ、どのような生活を支えている施設なのか」という視点で見てみることが大切なのだと思います。

今回は「老健3か月ルール」について入口のお話を書いてみました。私自身も、施設を訪ねたり、相談員さんやケアマネジャーさんのお話を伺うなかで、制度だけでは見えてこない現場の姿があることを実感しています。

今後も「実際にはどうなっているのだろう」という素朴な疑問を一緒に考えていける記事を書いていきたいと思います。