令和8年7月1日、世田谷区に「終活支援センター」が開設されます。終活に関する総合相談窓口です。
「終活」という言葉が広く知られるようになった一方で「何から始めればいいかわからない」「相談する相手がいない」「子どもがいないので将来が不安」という声がますます増えています。
このような背景を考えると、世田谷区が終活専門の相談窓口を設けることは、とても意義のある取り組みだと感じています。
今回、新たに創設されたこの制度が、どのような方に特に役に立つ制度なのか考えていきたいと思います。
世田谷区・終活支援センターとは
パンフレットを見ますと、
- 相談員による終活相談
- 弁護士による無料法律相談
- 終活講座の開催
- エンディングノートの配布
- 講師の派遣
などが予定されています。
終活について「何を相談すればいいのか分からない」という方にとっては、まず、相談できる入口ができたことは非常に大きいと思います。
高齢者終身サポート事業「えんのつづき」
もうひとつ、利用できるサービスとして、頼れる身寄りがなく資力が十分でない高齢者を対象とした「えんのつづき」という事業があります。
おひとりで暮らしている高齢者にとって「入院するとき」「施設へ入るとき」「亡くなったあと」など、頼れる家族がいないことで不安を抱える方は決して少なくありません。
そのような方への支援制度が整備されたことは、大きな前進だと思います。
サービスとして、
- 金銭管理手続き支援(家賃、公共料金等のお支払い等)
- 入院・入所手続き支援(入院入所退院退所時の手続き・立ち会い、入院費・施設費用の支払い等)
- 火葬・納骨支援(遺体の引き取り、火葬の手配、生前契約した墓地等への納骨手配)
- 死後の賃貸物件対応(電気・ガス・水道の使用停止手続き、賃貸物件の解約手続き等)
などが選択できる一方で、利用対象者に該当するには以下のような条件があります(すべてに該当することが必要)
- 65歳以上の方
- 世田谷区内在住で住民票も世田谷区内にある方
- 単身世帯で子や孫がいない方(同居親族や、配偶者・子・孫が障害や認知症のため支援が受けられない場合は対象)
- サービス内容や契約内容を理解し、自らの意思で契約できる方
- 生活保護を受給していない方
- 住民税非課税世帯の方
- 公正証書遺言で遺言執行者を定めることができる方
- 利用料や必要な選択サービスの預託金を支払うことができる方
また、入院や施設入所時の身元保証人になることや、緊急時の駆け付け対応など、対応できない部分もあります。
つまり、誰でも利用できる万能制度ではありませんし、制度だけですべての問題が解決するわけでもありません。
制度だけでなく「自分にはどんな準備が必要なのか」を考えることが大切
今回の世田谷区・終活支援センターのパンフレットに「終活とは、人生の終わりへの準備だけではなく、これまでの人生を振り返り、これからをより良く、自分らしく生きるための前向きな活動です」という言葉が書かれていました。
家族構成、財産、健康状態、希望する生活、これらは一人ひとり違います。だからこそ「自分にはどんな準備が必要なのか」を考えることは大切です。
公的制度は、多くの方を支えるための制度です。
一方、行政書士などの専門家は一人ひとりに合わせた準備を一緒に考えることができます。
利用できる制度は積極的に利用し、そのうえで、制度だけでは足りない部分を一緒に考えることが、私たち専門家の役割ではないかと考えています。
世田谷区に終活支援センターという新しい相談先ができたことをきっかけに、ご自身やご家族の将来について考えてみてはいかがでしょうか。









