「兵庫県三原郡三原町市市」

……市市?同じ「市」が二つ並んでいます。
戸籍を読んでいると、ときどき「ん?」と思う記載に出会います。ですから最初は、うっかり「市」を二回書いてしまったのではないかと思いました。
念のため調べてみると―ありました。「市市」と書いて「いちいち」ちゃんと実在する地名です。これだけでもちょっと楽しい発見なのですが、せっかくなので現在はどうなっているのだろうと確認してみました。
兵庫県南あわじ市市市
市がひとつ増えています。読み方は「みなみあわじしいちいち」声に出してしまえばそれほど不思議ではありません。ところが漢字で見ると「市市市」と三つ並びます。なかなかの存在感です。
このあたりにはかつて三原郡市村(いちむら)という村がありました。昭和30年(1955年)市村は榎列村・八木村・神代村と合併して三原町になります。その後も「市市」という地名は残りました。今回戸籍で見つけた「兵庫県三原郡三原町市市」という地名になるわけです。
そして平成17年(2005年)三原町・西淡町・南淡町・緑町が合併して南あわじ市が誕生しました。三原町は南あわじ市になりましたが「市市」はそのまま。その結果「兵庫県南あわじ市市市」となり「市」が三つ並びました。
この「市」について、中世の頃に国府市と呼ばれる物々交換の市があってその名残でつけられたという説もあり、寛永の頃の検地帳にはすでに「国府市村」という名前もみられたそうです。
最初はただ「これ、誤記かな?」と思って調べてみたら、思いがけず珍しい表記の地名にぶつかりました。
今回は戸籍散歩の箸休め回というかんじで気軽に楽しんでいただけたらと思います。









