「もし家で倒れたら」―81歳の女性が語る本当の安心

「一人でいる時に、もし倒れたら」

先日、お話を伺った81歳の女性が話してくださいました。数年前に大腸がんを患われましたが現在は回復されてお一人で生活されています。

ご兄弟は弟さんがお一人いらっしゃいますが、最近は体調が良くなく、車の運転も難しくなり、以前のようには会いに来られなくなったそうです。

そんな中で、女性の心に大きな影響を与えた出来事がありました。同じ団地に住んでいた方が一人で亡くなられ、しばらく発見されなかったという出来事です。

「自分も、もし同じようなことになったら……。」

現在は毎日LINEで安否確認を行う見守りサービスを利用されており、さらに警備会社の駆けつけサービスの契約も進めているとのことでした。

正直、私は少しびっくりしました。毎日の安否確認があるのに、さらに駆けつけサービスも利用される。

「そこまで備えるものなのだろうか」と一瞬考えましたが、お話を聞いているうちに理由が少し分かった気がしました。

もし何かあった時に、誰かが気づいてくれること

人は年齢を重ねるほど、体調の変化や思いがけない出来事を完全に避けることはできません。毎日の安否確認は「いつも通り」を確認してくれる安心があります。そして、異変があった時には駆けつけてもらえる。

一つだけではなく、安心を少しずつ積み重ねることで「これなら大丈夫」と思える日常をつくろうとされていたのだと思います。

終活というと、遺言や相続、葬儀の準備を思い浮かべる方も多いかもしれません。もちろん、それらも大切なのですが、今回のお話を伺っていて感じたのは、終活は「亡くなった後」の準備だけではないということでした。

今日を安心して暮らすための準備。それもまた、終活の大切な役割なのだと思います。

もし今日、自宅で体調を崩したら誰かが気づいてくれるでしょうか。ご家族でも、ご近所さんでも、見守りサービスでも構いません。安心とは、何も起こらないことではありません。何か起きても一人きりにならないこと、何か起きても誰かが気づいてくれること。

今回お会いした81歳の女性との会話は「安心」とは何かを改めて考えさせてくれる時間になりました。

「見守りサービス」その内容はさまざま

「見守りサービス」と一口に言ってもその内容はさまざまです。ご自身の生活スタイルやご家族との距離などに応じて、いくつかの方法を組み合わせて利用することもできます。

■ 安否確認サービス 電話やLINE、専用機器などを利用して、毎日または定期的に安否を確認するサービスです。一定回数応答がない場合には、ご家族や登録先へ連絡が入る仕組みになっているものもあります。

■ 駆けつけサービス 体調の急変や緊急時に、警備会社などのスタッフが自宅へ駆けつけるサービスです。一人暮らしの方にとっては「誰かが来てくれる」という安心につながります。

■ 自治体の見守り事業 自治体によっては、高齢者向けの見守りや定期訪問、配食サービスを通じた安否確認などを行っている場合があります。お住まいの地域で利用できる制度を確認してみるのもよいでしょう。

■ 地域とのつながり ご近所とのあいさつや、地域の集まりへの参加も大切な見守りの一つです。「最近お見かけしませんね」そんな何気ない一言が大きな安心につながることもあります。